あなたは、今こんな状況ではありませんか?
- 新しい基幹システムに切り替えた途端、現場がパニック
- 伝票が止まり、出荷や請求が遅れはじめている
- ベンダーは「仕様です」「マスタの問題です」としか言わない
- 社内の空気がピリピリし、誰も本音を言えない
この記事では、そんな「システム移行後の大混乱」から抜け出すために、現場が今すぐ取るべき対応方法と、その後の再発防止策をわかりやすく整理します。
もくじ
Toggleなぜシステム移行は、ここまで混乱するのか?
まず、「なぜここまで悲惨な状況になるのか」を押さえておきましょう。
大きな原因は、次のようなものです。
よくある混乱の原因
- 並行稼働期間が短すぎる、もしくはゼロ
- 「今日から新システム一本でお願いします」と言われ、現場が追いつかない。
- マスターデータの整合性が取れていない
- 取引先・商品・部門コードなどが旧システムとズレていて、エラー連発。
- 業務フローの変更が整理されていない
- 「今までこうしてたけど、これからはどうするの?」が誰にも分からない。
- ベンダーと現場の認識ギャップ
- ベンダー:「システムは正常です」
現場:「いや、仕事が回らないんだけど…」
- ベンダー:「システムは正常です」
つまり、「システム移行」自体が悪いのではなく、仕事の流れ・マスタ・現場の理解がそろっていないまま本番稼働してしまうことが、混乱の本質です。
大混乱のときに“最初に”やってはいけないこと
システム移行で混乱していると、つい次のような行動を取りがちです。
- 過去データを全部直そうとする
- 「とにかく使いこなそう」と、機能を全部覚えようとする
- ベンダーに「すべて何とかしてくれ」と丸投げする
ですが、これは火に油です。
特に、過去データを全部直しに行くのはNG。そのあいだも、毎日新しい伝票・受注・出荷は発生します。まずは「これから入るデータ」を正常化することが優先です。
システム移行の混乱から抜け出す5つの対応方法
ここからが本題です。
「システム移行 混乱 対応 方法」として、現場が今すぐできる対処を5つに絞ります。
対応① 「明日からのデータを正しくする」と割り切る
まず決めるべき方針は、過去は一旦わきに置き、「明日からのデータを正しくする」ことに集中するということです。
- いつから「正しい運用」に切り替えるか日付を決める
- それ以前のデータは「後でゆっくりチェックする」ことにする
- これを社内で共有し、混乱の原因を増やさない
過去データの修正は体力勝負です。
まずは“これ以上、間違いを増やさない”ことが、火消しの第一歩です。
対応② 重要マスターの緊急チェックをする
次に、マスターデータの緊急チェックを行います。特に、
- 取引先マスター
- 商品マスター
- 社員・部門マスター
の3つは優先度が高いです。
ポイントは、
- 「旧システム」「新システム」「会計」のマスターを並べて比較
- コード・名称・締め日・税区分など、業務に直結する項目をチェック
- 大きなズレがあるところから順に直す
ここで、「親マスター(基準とするシステム)」を決め、
他システムは読み替え表(共通コード)で対応させると、後々の混乱を防げます。
対応③ 重要業務だけでも“暫定フロー”を紙に描く
混乱しているときほど、頭の中だけで考えるのは危険です。
- 受注 → 出荷 → 請求 → 入金
- 発注 → 入庫 → 検収 → 支払
など、会社にとって重要な業務だけでもいいので、「暫定版の業務フロー図」を紙に描きます。
- どの部署が
- どのタイミングで
- どのシステムに
- 何を入力するのか
を一枚にまとめることで、「誰がどこで迷っているのか」がようやく見えるようになります。
対応④ 問い合わせ窓口を“1か所”に決める
システム移行の混乱時に地味に効いてくるのが、問い合わせ窓口がバラバラで、情報が分散してしまう問題です。
- Aさんはベンダーに直接電話
- Bさんは情シスにチャット
- Cさんは上司にだけ愚痴る
これでは、問題がいつまでも解決しません。
最低限、
- 「システムに関する質問・トラブルは、まずここに集める」
という窓口(人 or グループ)を決める - 窓口担当は、質問内容を簡単にログ化しておく
これだけでも、「同じ質問が何度も繰り返される」地獄からは抜け出せます。
対応⑤ エラー・不具合・困りごとを“見える化”する
次に、
- どんなエラーが出ているのか
- どの業務でつまずいているのか
- どの画面が一番ストレスなのか
を、1枚の一覧表にして“見える化”します。
- エラー内容
- 発生した業務(受注・出荷・請求など)
- 担当部署
- 緊急度(今すぐ/今月中/余裕あり)
をまとめておくと、
- どの問題から潰すべきか
- ベンダーに何を優先して依頼するべきか
が明確になります。
混乱が落ち着いたら、必ずやるべき3つの再発防止策
「なんとか日常業務が回るようになってきた…」
ここで終わりにすると、数年後にまた同じことが起きます。
再発防止① 正式な業務フロー図を作成する
暫定でやりくりしていたフローを、正式な業務フロー図として整理します。
- 旧システム時代のフローとの違い
- どの入力が新しく増えたか/どの作業が不要になったか
- 部署間の受け渡しポイント
を明確にし、「会社の共通言語」として残します。
再発防止② マスターを「一対一対応」にする
マスターデータは、「システム移行のたびに混乱を生む爆弾」です。
もう二度と爆発させないためには、
- 親マスターを決める
- 共通コードを設計して読み替え表を作る
- マスターの登録・変更ルールを明文化する
ことで、一対一対応(100対100対応)を実現しておく必要があります。
再発防止③ 現場目線のマニュアルと教育をする
ベンダーが作るマニュアルは、どうしてもシステム操作寄りになります。
- 「どのボタンを押すか」だけでなく、
→ 「なぜその入力が必要なのか」「どの数字につながるのか」 まで説明する - 経理・現場・管理部門、それぞれの視点でマニュアルを作る
この「現場目線のマニュアル」と教育が、次の担当者にもノウハウを引き継ぐための決め手になります。
5. 自社だけでの対応が厳しいと感じたら
ここまで、「システム移行 混乱 対応 方法」として、社内でできる打ち手をお伝えしてきました。
ただ、現実問題として、
- もう現場は限界で、火消しと通常業務で手一杯
- 社内に業務フローと会計の両方を見られる人がいない
- ベンダーが「それは業務側の問題です」と取り合ってくれない
というケースも多いはずです。
その場合は、
「明日からのデータを正しくすること」と
「業務フローとマスターの整合性を取ること」
に絞って、外部の業務改善・経理DXの専門家に手伝ってもらうのも一つの方法です。
まとめ:システム移行の混乱は、「順番」と「割り切り」で抜け出せる
最後にもう一度、ポイントを整理します。
- 過去データの修正より、「明日から正しく」を優先する
- 重要マスター(取引先・商品・部門)の緊急チェックをする
- 重要業務だけでも暫定フローを紙に描いて共有する
- 問い合わせ窓口を一本化し、困りごとをログ化する
- 落ち着いたら、業務フローとマスターを正式に整備する
システム移行の混乱は、「ツールが悪い」というより、整えるべき順番と土台を飛ばしてしまった結果です。
だからこそ、順番を正しく踏み直せば、今のシステムのままでも立て直しは十分に可能です。
もし、あなたが今まさに炎上の真ん中にいて、「もう、どこから手をつければいいか分からない…」と感じているなら、まずはこの記事の対応①〜⑤のうち、できるところからひとつだけ試してみてください。
そこから、次の一手が必ず見えてきます。

